第2回・秋の東京美術館めぐり1123
11月4日の桂離宮以降が未発表だが、こちらは写真の編集作業が難航中(枚数を撮りすぎた笑)
このままではどんどんネタが溜まってしまうので、とりあえず直近の旅行から先にご紹介する
11月23日は快晴の上天気、早朝の新幹線で東京へ向かう
富士川橋梁から望む富士山に雪は無く、11月下旬とは思えない
申し訳ないが、これではとても撮影に行く気にはならないのである
午前9時、駒込駅から開門したばかりの六義園へ
柳沢吉保ゆかりの大名庭園として知られる同庭園、今回が初めての訪問となる
事前に東京メトロ1日フリー切符を購入しておいたので、こちらを見せて60円引きの240円で入場する。今日はこの後も、この切符が大活躍することになる

さてどれくらい紅葉してるかな、と期待が膨らんだが、結果としてもみじ系の紅葉は皆無であった。というよりまだ青々として、このままでは11月中に色づくとは思えない

躑躅茶屋は地震で柱が歪み、中に入ることができなかった
茶屋脇の赤いのはハゼ系の樹である

吹上茶屋脇のドウダンツツジ、こちらはうまい具合に色づいてきた

どんな滝が見られるかと期待したが、落差20センチくらいのしょぼい流れであった
滝見茶屋前から園池を望む。このあたり園の中でも特に緑が深い場所である
なかなか風情ある木橋だが、人の流れが途切れないので撮影が大変

池の南側から吹上茶屋方面を眺める。中間にある蓬莱島は見所のひとつだが
3月に島に乗っかっていた松が崩落してしまったそうである

園内の最高所、藤代峠に登る。標高30メートルあまり、非常に見晴らしの良い展望所で、お弁当のひとつでも広げてみたくなる

峠を下って北側から渡月橋を見る。赤いのはこちらもハゼの木である
欄干がないので、夜間のライトアップ時には少し怖いだろう
側には救命用の浮輪なんかも置いてあった

出汐の湊から見る、中の島にかかる田鶴橋。この橋は渡ることはできない
紅葉は今ひとつであったが、結局1時間あまりかけて六義園を散策し、通りをはさんですぐ南側の東洋文庫ミュージアムを再訪する。10時きっかりに一番乗りで入場する
こちらも六義園の半券を見せると、200円割り引いて入場できる
やけに気前がいいな、と思ったら、六義園も明治期には岩崎家の所有であったそうだ
なるほど三菱つながりだったのか、と納得する

目的は今日から展示換えとなる「史記 秦本紀」
こちらも一般公開は史上初とのこと
本当にどうでもいいけれど、一番乗りの私が、この作品を最初に見た一般人、ということになる

前回見た夏本紀は全巻開いての展示だったが、秦本紀はスペースの都合上、途中からの展示。夏本紀は7メートル、秦本紀は13メートルと、倍近い長さであるからしょうがない
延々と漢文による前段の記述が続いて、いよいよラストに始皇帝が登場する
この巻物が書かれた時代においても、秦の成立は1,300年以上も昔のことであるので、
中国の歴史の奥深さを実感する
それでも平安時代の書物に、「秦始皇帝」の文字を見出だしたのは非常に感慨深い
物語の終盤近くになって、ついに皇帝となったところなど、エピソード3のダースベーダー誕生シーンを思い浮かべてしまう(アナキンは皇帝にはなっていないが)

駒込から南北線、半蔵門線と乗り継いで、広尾にある山種美術館へ向かう
こちらもメトロフリー切符で100円引きである
今回の展示会「ベストオブ山種コレクション」にて、ずっと見たかった速見御舟の「名樹散椿」にようやくめぐり会うことができた
ところが何故かこの絵だけ、メイン展示場を離れて狭い特別展示室に置かれている
実はこの絵のために作られた、寸法ぴったりの特製ケースに収めており、空いていれば良い展示スペースとなるが、今日はあいにくと次から次へと人が入ってくる
四曲の大ぶりの屏風だから、全容を眺めるには少し距離をおきたいところだ
ところが押し寄せる人々が、横の壁にある別の絵(たしか古経)を見るために前を立ち塞ぐ
なにかこの美術館、少し作品を詰め込みすぎの気がする。この部屋も御舟一点だけで充分なのに…
本当に見るべきものはそっちじゃなくてこの絵なんだよ、と思ったがしょうがない
機会があったら、もっと空いている平日にでも出向くとしよう

山種美術館から恵比寿駅へ下っていくと、とつぜんミケランジェロのダビデ像が出現
あとで調べたらパパスカンパニーの本社ビルとのことで、この界隈では結構な名物のようだ
下半身はご存知のとおり、あられもない姿なので上半身のみアップで

恵比寿から日比谷線で六本木下車、ミッドタウンにあるサントリー美術館へ
すっかり忘れていたが、もうクリスマスも近いということで、派手なオーナメントが気分を高揚させてくれる

6月の「鳳凰と獅子」展でもらった無料招待券を使い、今回はタダである
こちらの目玉と思しき作品は3つ
同美術館と神戸市立博物館が分蔵する「泰西王侯騎馬図屏風」の同時陳列、
神戸市立博物館の有名なザビエル像、
そして京都妙法院所蔵の「ポルトガル国印度副王信書」である
ポルトガル国~は妙法院で見て以来、11年ぶりの対面
庫裏内の廊下のような展示ケースに、何気なく置かれて「これ本物ですか?」とつい尋ねてしまったことを思い出す。羊皮紙に描かれた、カラフルな洋風装飾画が白眉の一品だ
あと印象的だったのは、わざわざイタリアから持ってきた元和五年長崎大殉教図
いわゆる宣教師とキリシタンの大弾圧を描いた有名な絵である
図録などで見たとおりの凄惨な処刑の場面に、その場では釘付けになるが、やはり見なければよかった、と後悔せずにはいられない作品であった

六本木から再び日比谷線にて日比谷駅下車、今度は出光美術館に向かう
ちょうど美術館の向かい側、第一生命の前のカンバンに目が止まる
なんと、あの有名な「ランゲのモーツァルト」が日本初公開、しかも無料だという
まったくノーマークだったので、大変うれしいサプライズだ
早速入館すると、さほど広くない展示室は結構賑わっている
ピアノソナタK.331第三楽章や、きらきら星K.265の自筆楽譜もあって興味深い
音符の密度が細かいのに滑らかで速い筆致は、本当に泉のように音楽が湧き出てきたのだろう
推敲の跡もほとんどなく、神がかった才能の一端を垣間見れた気がした
有名な肖像画は顔の部分が10センチほどの小品で、グラヴィーアに向かっているとされる胸から下は未完成状態である。
なぜこの絵が途中で放棄されたかについては、それだけで小説が1本できそうなくらいのミステリーであるというが、ここでは詳述しない

思いがけずモーツァルトに出会えたあとは、お隣の出光美術館へ
「長谷川等伯と狩野派」展も、メトロのパスで200円割引いてくれる
お目当ては牧谿の平沙落雁図で、以前根津美術館で見た漁村夕照図、先月見た畠山の煙寺晩鐘図、静岡県美で現在展示されている京博の遠浦帰帆図に続いて、文化財指定の4幅を全て見たことになる
展示場所が異なるとはいえ、ほぼ同期間に3幅が出陳されるのは大変珍しいことだと思う
また無指定の洞庭秋月も徳川美術館で見ているので、現存する7幅のうち、未見のものは個人蔵の2幅となった。どうでもいいが、こちらも気長に出品を待つことにする
美術館の休憩ロビーからは皇居方面がよく見える。右奥は桜田門だろうか

ここからはJRを使った方が速いのだが、せっかくメトロのパスがあるので、再度日比谷線に乗って上野へ。天気のよい祝日の午後ということもあり、上野公園界隈も大賑わいである

会期終盤を迎えた「法然と親鸞展」はNHK効果か待ち時間も出ているようだが、いつもの通りまずは本館へ

高円宮ルームは若干展示替えがあったようで、前回見てない(見落とした?)ものが数点あった。こまめに入れ替えてくれれば、また東博を訪れる楽しみが一つ増えるというものだ

狩野秀頼の観楓図屏風もこの時期によく展示される
厳しい冬を迎える前、紅葉を賞でながら昂ぶる気分は今も昔も変わらないのだろう

桂川と思しき川の中には、2体のカメが
顔はバシリスクのようであまり可愛くないのだが

東博所蔵品の愛染明王は最近修復されたもので、鮮やかな塗りが印象的
隣には神護寺寄託のものも並び、2体を比較してじっくり眺めることができる

今回の未見国宝は、この助真の太刀のみ
最近、東照宮の助真も展示されていたが、こちらも素晴らしい逸品だ

前田青邨の唐獅子図。三の丸尚蔵館にも同じモチーフのものがあるが、こちらはただ直立しているだけで、少し堅い印象だ
3時半をすぎ、ようやく空いてきたところで法然と親鸞展を再度見学する
大半は前回見たものばかりだが、親鸞聖人の鏡御影は、今回出ないものと予測して京都まで見に行っただけに、少し複雑な気分だ
最終コーナーでは前回の早来迎と入れ替えで、永観堂の山越阿弥陀が展示されて人だかりができているが、やはり早来迎と比較してしまうと、トリを飾るには少し「家賃が高い」気がした
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 馬頭観音と天橋立0428(2012.05.04)
- 春の東京美術館めぐり0502(2012.05.15)
- 洛陽の観音めぐり~法性寺 0427(2012.05.03)
- 東博のボストン美術館展0323(2012.03.31)
- 南都巡礼0316その2~初瀬・飛鳥路めぐり(2012.03.22)





コメント
私は11月23日はトーハク、東洋文庫、埼玉県立博物館の順で回り、サントリーは26日の土曜日に出掛けました。いつかどこかですれ違うかも知れませんね笑。
投稿: おやちょう | 2011年12月 3日 (土) 22時49分
おやちょうさんコメントありがとうございました。私もおやちょうさんのブログを見て、同じ所回ってるな~と思いました。当方美術館へ行くときはいつもペンタックスのパピリオをぶら下げてますので、見かけたらお声掛けください(笑)今度は年明け、江戸東京博物館ですかねえ?
投稿: 管理人 | 2011年12月 5日 (月) 15時54分